膜厚モニター水晶 Quartz Monitor Crystals
【原理】
周波数の変化量と付着物質の質量との関係は、下のSauerbreyの式により表され、付着物質量が増加すると周波数が減少し、付着物質量が減少する と周波数が増加します。
この現象を利用し、水晶振動子の周波数変化を検出することで、その電極上での物質の質量変化を計測する方法は水晶振動子マイクロバ ランス(Quartz Crystal Microbarance : QCM)と呼ばれています。
膜厚モニター水晶では、このQCMの原理を利用し、スパッタや蒸着膜の膜重量変化を水晶振動子の周波数変化で捉えています。
Sauerbreyの式
⊿F:周波数変化量、⊿m:質量変化量、F0:基本周波数、ρ:密度、μ:せん断応力、A:電極面積
物性や反応測定の場合、水晶振動子に液体を接触させる場合があります。 その際、水晶振動子に接する液体の粘性、密度の変化によって周波数が影響を受けます。ある溶液の密度をρ(g cm-3)、粘度をη(m2s-1)とすると、以下のKanazawaの式により周波数との関係が得られます。
K.Keiji Kanazawa and JOSEPH G.GORDON Ⅱ,Analytica Chmica Acta 99-105(1985)
【用途】
金属、有機物、無機物を材料とした電極や光学薄膜の膜厚モニター
サングラスなどのアイウエア、レンズや波長板、ローパスフィルターなどの各種コート、OLEDなどのディスプレイ電極、その他 物性測定や反応測定などに用いられます。
【特徴】
1. 水晶振動子の安定した周波数を取り出し、膜重量の変化を正確に検出する事が出来ます。
2. ATカット水晶振動子ですので、温度に対して非常に安定しています。
3. お客様のご使用条件にマッチした仕様(カスタム仕様)をお作りいたします。
4. 高信頼性・安定供給いたします。
※ 膜応力への対応、レートの安定性追及、ロングライフ等のご相談もお待ちしております。
【仕様/Specification】
周波数/Frequency | 5MHz | 6MHz |
電極/Electrode | Cr/Au, Alloy, Ag, etc. | Cr/Au, Alloy, Ag, etc. |
外径/Diameter | 12.4mm | 14.0mm |
水晶カット/Angle | AT-cut | AT-cut |
梱包/Package | 10pcs | 10pcs |
表面/Surface | 鏡面仕上げ、砂目仕上げ | 鏡面仕上げ、砂目仕上げ |
形状/Shape | 片面凸、平板 | 片面凸、平板 |
Cr/Au電極
上の写真を見て、平板のポリッシュ品に端面ベベル処理と判断された方へ。
それで、凸加工処理と同じ特性が得られますか? カスタム製作で、量産品と同様の品物を製作しても意味がありません。4MHz品を載せていないのも訳があってのことです。
Alloy電極